― なんとかなってる林業生活 ―
第2話 講習会場、だいたいアウェー
オカンに追い出される形で、林業の講習に行くことになった。
外に出るの、久々だった。
夏の日差しがきつい。
こんな暑かったっけ、と思う。
ずっと部屋にいたせいか、余計にしんどい。
昼夜逆転してたから、普通に眠い。
まだ寝てたい。
とりあえず、行きたくはなかったな。
講習会場は、山の中だった。
軽のターボで登っていく。
アクセルを踏むたびに、エンジン音がどんどん高くなる。
道もだんだん細くなっていって、引き返すタイミングを失っていく。
(こんなとこでやるのか)
なんとなく、逃げ場がなくなってきた気がした。
会場に着くと、すでに何人か集まっていた。
いろんな人がいる。
なんとなく同じ匂いのやつもいた。
たぶんニートだと思う。
こっちもニートだから、なんとなく分かる。
別に話したわけでもないのに、ちょっと安心した。
前に立ってる人がいた。
県森連の人らしい。
第一印象、ちょっとクセが強そう。
「講習の最後に企業面談はあります!」
お、そこはちゃんとしてるんだ、と思ったら
「ただし、就職の斡旋はしません!」
いきなり線を引かれた。
(え、そこはしないの?)
「その代わり、業界の闇はなんでも教えます!」
なんでもって何。
ちょっと来るとこ間違えたかもしれない。
周りを見渡すと、またいろんな人がいた。
仕事してたけど、今は離れてそうな人。
40代くらいで、ちょっと疲れてる顔の人。
定年したけど、まだ働きたいって雰囲気の人。
思ってたより、ちゃんとしてない。
というか、全員ちょっと訳ありっぽい。
(ここ、大丈夫か?)
その中に、ひとり女性がいた。
ちょっと場違いな感じがしたけど、理由はまだ分からなかった。
これが、20日続くらしい。
長いな、と思った。

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